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高齢化社会の到来に伴い、「老化を遅らせること」や「健康長寿」が大きな注目を集めています。アンチエイジング医学は、老化を予測・予防・逆転させることを目指し、機能性医学、分子栄養学、ホルモン療法、ライフスタイルの改善などを融合した総合医療のひとつです。単に老化のスピードを遅らせるだけでなく、生活の質と機能維持を高める「全人的な医療」として注目されています。
「見た目が若いからといって、体の中も若いとは限らない。」
こう話すのは、輝雄診所の院長・劉輝雄医師です。現代人の“未病”状態(明確な病気ではないが健康とはいえない状態)は、臓器ごとに異なる老化速度によって引き起こされると言います。「1つの臓器でも過度に老化すれば、全体のバランスが崩れてしまう」のです。
そのため、同院では2009年から日本のアンチエイジングドック(Japanese Anti-aging Dock)の概念を取り入れ、台湾で初めて7つの身体年齢モデルを構築しました。個人に合わせた治療プランを組み合わせ、予防・遅延・改善の3段階で包括的なアンチエイジング戦略を提供しています。
「7つの身体年齢」で老化のリスクを可視化
劉医師によると、「一般的な健康診断」と「アンチエイジング健診」は大きく異なるとのこと。前者は “すでに病気を抱えている状態”を前提に行う医療(治療医学)で、高血圧、糖尿病、高脂血症、骨粗しょう症、がんなどの生活習慣病の早期発見が目的です。
一方で、アンチエイジング健診は “未病医療”。病気の兆候を捉えるだけでなく、「病気にならない体質をつくる」ことがゴールなのです。つまり、症状が現れる前の段階で問題を把握し、予防するという、まさに予防医学の究極の形といえます。
劉医師が提唱する「7つの身体年齢」:
1. 血管年齢(血管の柔軟性や動脈硬化の進行度)
2. 骨年齢(骨密度と骨質の劣化度)
3. 筋肉年齢(筋肉量と筋力のバランス)
4. 脳神経年齢(記憶力や神経反射の老化指標)
5. ホルモン年齢(内分泌バランス、再生能力)
6. 細胞年齢(テロメア長=細胞の寿命を示す)
7. 腸年齢(腸内環境・免疫機能の健康度)
これら7つの要素が均等に老化していることが、真の健康長寿のカギ。1つでも突出して老化していれば、即座に改善・矯正が必要です。
最先端の検査と治療:アンチエイジングの未来へ
テロメア検査:細胞の“寿命”を知るカギ
テロメアとは染色体の末端にある構造で、細胞分裂のたびに短くなっていきます。これが短くなりすぎると細胞は再生能力を失い、老化が始まります。
輝雄診所ではテロメアの長さを測定し、老化の進行度を正確に評価。さらに、栄養点滴療法や水素療法といった最先端技術を組み合わせることで、細胞レベルから老化を食い止めます。
栄養点滴療法:細胞の再生をサポート
現代人は慢性的な疲労や食生活の乱れ、ストレスなどにより栄養不足に陥りがちです。劉医師は個人に合わせたオーダーメイドの高濃度栄養点滴を導入。静脈から直接栄養素を補うことで、迅速に全身へ届け、体力・活力・集中力を高めると同時に、美肌や若返り効果も期待できます。
水素療法:酸化ストレスと戦う第一防衛ライン
老化の最大の原因とされる「活性酸素」。これが過剰に体内に存在すると、皮膚のシミ、倦怠感、がん、糖尿病、心筋梗塞、認知症などさまざまな病気を引き起こします。
水素(分子状水素)は悪性の活性酸素を中和する力があり、抗炎症・抗アレルギー・抗酸化に優れた効果を持ちます。体内のミトコンドリア機能も高め、疲労回復やアンチエイジングに貢献します。
認知症の予防と逆転へ:ReCODEプログラムの導入
台湾では2031年までに認知症患者が46万人を超えると推定されていますが、今のところ根本治療は存在しません。
劉医師は2018年から何度も東京を訪れ、神経科や精神科の専門家と連携し、アメリカの神経学者デール・ブレデセン博士が開発したReCODE(認知機能の逆転)プログラムを導入しています。
28項目にわたる生理・栄養指標を分析し、認知機能の低下を引き起こす原因を特定。それに基づき、分子栄養や生活習慣の改善を提案します。
最後に
「問題を早期に発見し、早期に対処する。衰えが進んでからでは遅い。」
劉医師はこのように強調します。輝雄診所が掲げる最終的な目標は、人々が尊厳と質の高さを保ち、健康に暮らせるようにすること。検査・分析・介入という3つのステップを通じて、アンチエイジング医療を日常に取り入れるサポートを続けています。
今後も、世界的なアンチエイジングの潮流と連携し、限られた人のみではなく、より多くの人が実践できる「日常的な健康習慣」としてアンチエイジングを普及させていく方針です。