無視してはいられない沈黙の殺し屋-動脈硬化

2004年度台湾の死亡原因一位は悪性腫瘍(癌)で全体の27.2%を占めています。二位以下はその多くが動脈硬化性疾病です。心臓性疾病が二位(9.62%)、第三位は脳血管疾病(9.23%)第四位は糖尿病(6.88%)、第八位が腎炎腎症候群(3.5%)第十位が高血圧性疾病(1.35%):全体の30.58%もを、動脈硬化性疾病が占めており、1位の癌に迫る勢いです。恐ろしい殺し屋なのです。

動脈硬化性疾病の五大要因は、肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙。この中の2項目以上に該当すると、発症率は断然高まり、重篤な症状となって現れます。動脈硬化性疾病は全身の動脈に影響するため、主要器官に虚血性障害をもたらします。脳なら、脳梗塞、脳内出血、心臓なら、心筋梗塞、狭心症といった具合です。

主な病理形態は、動脈壁内膜に粥状病変を作り、一本の動脈丸ごとその弾力を失い硬くなっていきます。粥状物質は動脈壁の内側に脂肪線条、繊維化肥厚、プラーク(血小板、コレステロール、繊維蛋白、ガラス質等の成分が混ざり沈着する)、動脈粥状硬化斑、重篤な場合は石灰化、潰瘍、出血及び血栓を併発し、これらの血栓の不安定な部分が剥がれ落ち、末端の毛細血管で詰まる-これが脳梗塞や心筋梗塞の突然死を招く要因となります。

早期動脈硬化の診断方法

早期動脈硬化の判断は難しいのですが、段々とその方法が確立されてきました。身体への負担が少なく、繰り返し行える手軽な方法です。

1.脈波伝播速度(PWV)

PWVは動脈の二点間に伝わる脈波の伝達速度を測る方法です。動脈硬化があるとPWVは速くなるので、早期動脈硬化はPWVの異常で発見できるのです。

2.頚動脈超音波

動脈の内膜・中膜の厚さ測定は難しいのです。そこで医学上は合計値を採用。頚動脈超音波主要計測動脈内膜・中膜の合計厚度(IMT)は、高脂血症、糖尿病、高血圧の判断において特に応用されます。これらの疾病ではIMT値は高く示されます。

3.眼底検査

眼底検査の利点は、動脈硬化による変化が現れ易い眼底網膜毛細血管を直接観察できる点です。直像検査法と倒像検査法があります。

早期動脈硬化の治療

動脈硬化の発症は肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙等の五大因子と関係が深く、これらを抑えられれば、早期動脈硬化の病変は消えていくでしょう。脳梗塞や心筋梗塞等の悲劇を防ぐために、多方面からアプローチする治療方法をご提案します。

Ⅰ生活習慣の改善

1.食生活から始めます

・毎日平均30品目以上の食物を適量摂取。腹八分目の原則は厳守

・脂肪の量と質に注意:魚、鳥肉を増やし、動物性油脂(牛・羊・豚・バター)を控える。

・糖分を制限(ケーキ・クッキー・アイス・炭酸飲料・加糖コーヒー)、主食(ご飯・面・芋類)

・野菜を増やす。緑黄色野菜を多めに摂取

・魚・豆腐・小魚・海草を多めに

・飲酒は適量。ビールよりワインの方が健康的

2.運動習慣を身に着ける

・有酸素運動は心肺機能を高める:ジョギング、マラソン、自転車。毎日30分、軽く息切れする程度が最適。

・ダイエットが目的なら、無酸素運動と組み合わせ筋肉強化も図る。

・体の状態に合わせ、根気よく続けることが大切。短時間の激しい運動は効果が無い上、運動障害をもたらします。

3.ストレス解消

・早寝早起、十分な睡眠はストレス解消に最良

・自然と触れ合う:温泉、登山、旅行等環境を変えて。

・仕事中でも休息を。筋肉をほぐしリラックス。それで却って長続きできるのです。

・毎日自分に30分のご褒美:音楽鑑賞、友人とおしゃべり、入浴‥。

Ⅱ薬物治療

1.高脂血症治療剤

コレステロールと中性脂肪を下げる薬剤。

2.降圧剤

高血圧、糖尿病、高脂血症の併発を避けるため、特に血圧は厳重に管理を。

3.糖尿病治療薬

Ⅲその他療法

動脈硬化は動脈壁の慢性炎症の一種。慢性炎症はフリーラジカル、抗酸化、重金属蓄積と関係があります。

Hs-CRP<高感度C 反応性蛋白 > 、 Fibrinogen< 繊維素元 > 、 Lp(a)< リポ蛋白 (a)> 、 Hemo cystein< ホモシステイン >動脈硬化危険因子4項目と呼ばれています。軽視できない検査項目です。

日米最新の研究結果より、食事療法が動脈硬化治療の新気勢と発表。ホモシステイン値が高い時は、ビタミンB6、B12、葉酸を摂取。繊維素元が高値なら、アスピリン低量療法で、フリーラジカル・重金属を排除、抗酸化力を強化。

EDTA静脈注射療法は米国で最も指示され、NIH(国家衛生局)も重視する療法。

Ⅳ禁煙

喫煙は動脈硬化悪化させ、更に心臓への負担を増し、狭心症及び心筋梗塞の決定的な要素である。また、癌やその他の生活習慣病の要因でもある。